No. 456回       クルマの ”塗装”について

たまには、『 クルマのちょっといい話をしましょう 』 の本分を語ります。
鈑金/塗装における ”塗装” その作業工程は一般的にはあまり認識されていません。 意外と高額な工賃に誰もが驚きとため息をもらします。

鈑金職人と塗装職人が専門職として分担作業するのが一般的です。 損傷個所(大小凹み、キズ等々)を交換、もしくは鈑金修理にするかは鈑金職人による判断となります。(中にはその工場、会社の方針による場合もありますが・・・・)
 損傷個所の交換、もしくは鈑金作業を経て塗装作業へバトンタッチするまでの ”行程” は工場のチーム(鈑金職人と塗装職人)によって若干違います。
この ”チームワーク” はその仕上りに重要なポイントとなります。 完璧な仕上りはお互いの意思の疎通と気配りが必要です。

 

鈑金作業が終了して塗装工程へと移ります。
鈑金、塗装作業には ”砥ぐ” という重要な作業があります。 
砥ぎ作業には研磨ペーパーは粗い(#400)~繊細な(#1500)までを使用します。
損傷個所の鈑金補修後、・・・次に塗装パテを施した後・・・そして*サフェサー塗装* を施した後にも必ず砥ぎ作業を行います。  ここでいかに入念にこの下地処理作業 によって明らかに仕上りが違ってきます。 
 ( * サフェサー塗装とは補修個所に施す補足塗装でメイン塗料の密着性を上げ、サビ止めの役割もします。)

次に、マスキング作業に入ります。 塗装個所だけを残してマスキングする訳ですが、同時に塗装範囲のパネルにあるパーツの”脱着”も行います。 ( エンブレム、モール関係、ハンドル等々 )
この作業も大切な作業となります。

そして、塗装職人のクォリティーの高さを示す”調色作業” があります。
熟練した職人の腕の見せ所になるこの作業が塗装の一番のポイントとなると思います。
いろいろな調色器材がありますが、その職人の目と繊細な感覚とセンスで”塗色”は決まります。

砥ぎ作業、マスキング作業、調色作業が終わると、いよいよ”塗装ブース”への入庫となります。
塗装ブースとは密閉した”塗装室”で強力な換気ファンによって吸引、排気作用よってミスト、埃、チリ等のミストを捕集します。  
塗装終了後は塗膜を硬化させるために必要な適温で加熱乾燥いたします。
塗装作業環境をすべて備えた”塗装室”と言えるでしょう。

一般的に塗膜(メイン色)は、ソリッド、メタリック、2コートパール、3コートパールの4種です。
メイン色の上塗り後には透明色のクリアー塗装を施します。(2層の塗膜)
3コートパール色はメイン色の上塗り後に”パールクリアー”を施し、そしてクリアー塗装という3層の塗膜ということになります。

クリアー塗膜は紫外線や雨・鳥の糞などの外部環境からの保護と、傷つきを防止する役目です。 さらに塗膜を強力保護するクリアー塗装(スクラッチシールド)施工したクルマなども最近入庫しています。
   クリアー塗膜の上にあるシミ、汚れ、薄いスリキズ等は磨きによって除去される場合があります。 

 

卓越した技術とこの作業環境があればこそ、その”修復箇所”の違和感のない完璧な仕上りをお約束できるのです。 そして予想外の顧客満足も得られることになるのです。 
ここに挙げたスキルと全ての工程に対しての”対価”が塗装費用として算出される訳です。
 愛車が傷つき自責の念でご来店いただき、高額な見積額にさらにため息をつくその表情はしっかりと受け止めております。
だからこそ、ご満足いただいた ”お客様の笑顔” には何よりのやりがいを感じるのです。   ハイ!!

 

 

 

 

 

 


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