№657回    前時代的な侵攻

先日、ある友人から『楽毅』(亜卿)という中国戦国時代の武将の本を奨められて読み始めました。
日本の史書はかなり興味をもって読み込んでいますが、中国のこの時代の史書に触れるのは久しぶりのことです。

この本(全4巻)読み終えて、その友人が、現在、全世界を震撼させているロシアのウクライナ侵攻侵略を意識し、意図的に、この本を奨めてくれたかどうか真意は判りませんが、紀元前295年頃の超前時代の戦国の世の時代に舞い戻ったようなこの信じ難い愚劣な蛮行が現在、行われているのです。

この時代、主人公である武将、宰相でもある『楽毅』をはじめとする、歴史に名を残す名将、名宰相も、また愚将、愚宰相も出現しています。 この戦乱渦巻く時代、東に秦、西に斉という戦国最強国に挟まれた弱小国を隙あれば侵攻侵略して属国として併呑して領域を拡大、この2大国が競って中華の覇権をめざしているという時代の物語です。

いつの時代でも、このような大国の暴君たちに仕える重臣には才覚と器量ある賢明な宰相が付かず、暴君の独善的支配欲と傲慢で恫喝的”国政”に諌言すらできない愚臣が多いようです。

その一方の大国 ”斉”の国王『湣王』は隣国の”燕国”に多年にわたり虐奪的侵略を続け、亡国の憂き目にあって、その辛酸な”仕打ち”に耐え抜いた”燕国”『昭王』が『楽毅』というこの戦国時代に傑出した武将を招聘して、4つの小国を率いた連合国によって奇跡的に”斉”の王国を滅ぼして首都を陥落させてその偉業を成すのです。
『楽毅』は、この戦いにの宰相、将軍として4国同盟の謀略企て連合国の指揮を執って、冷静、かつ奇想天外な戦略をもちいて奇跡の勝利をもたらしたのです。

斉の『湣王』は首都から逃亡を図り、流浪して遂にその愚臣たちにも裏切られて、余りにもあっけない悲惨な最期を遂げるのです。

今、この本を読むと、プーチン大統領が現在、起こしている愚劣で非人道的な”戦争”がの国との国のように思えてくるのです。 まさしく、前時代的の再現であり、この斉の国王と同様な末路を辿るような思いをダブらせてしまうのです。

勇敢に命を賭して国を守ろうとするゼレンスキー大統領は世界の人々は英雄と称えられ、一方、歴史上最も恥べき卑劣な存在としてプーチン大統領は永遠に蔑まれれるでしょう。・・・・

 

 


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