来店するお客様の愛車の ”損傷度合” を入念にチェックしながら、その修復作業をいかに合理的、完璧に収めるかの見極、判断はフロントマンの大切な仕事です。
お客様への費用負担などの ”忖度” も考慮しての見積は、現場職人さん達からのブーイングをもらうことは度々です。
今回の当該車は、左フロントドア、リヤドア そしてロッカーパネルが大きく損傷を負った状態での入庫見積です。
ディラー系工場では躊躇なくフロント、リヤドアは交換という見積となるでしょう。
その”損傷個所” を元通りに修復するために、”鈑金作業” 、”交換作業” どちらがベッターであるかは最終的には現場職人が判断するものです。
ここで、ベストではなくベッターの表現は、作業をする側(会社)の様々な ”都合主義 からの判断が優先するからです。 (大変、意味深な言い方になりますが・・・・・)
ディーラー系は些少のキズ、凹みでも新品交換というのが営業方針です。
また、一般工場でも、当該車のような凹み損傷の鈑金作業 は多くの時間と労力、技術が必要となりますので、できればやりたくない ”仕事” とされています。
( 基本的には、その凹み損傷個所が完璧に元に戻るかどうかの判断できめるのです。)
小生の今回の見極めは ”鈑金作業 でできると判断したのです。
お客様には喜んでいただき、この際に、これ以外のパネルのキズも一緒に直してもらうこととなりました。
( この場合は、完璧な修復よりも、”費用負担” ということを考慮しての判断でした。)
翌日、工場から搬送するための積載車が到着しました。 工場の担当フロントマンが当該車を一見して当然のように 「これ2パネルは交換ですよね」 と呟いたのです。・・・・・・
一転して、”交換作業” になってしまったことで、お客様の費用負担を軽減するためにも、即、リサイクルパーツ の検索を行ったのです。 同機種、同色パネル、仕様等々の条件をクリアーしたリサイクルパーツを全国のネットワークから探し出さなければなりません。
幸いにも、同一車両からの同色の前後ドアのリサイクルパーツがみつかりました。
当初、”鈑金見積” より30,000円ほどオーバーとなりましたが、お客様に納得していただきそのリサイクルパーツを取り付けることになったのです。
プロとしての見積判断の甘さを指摘されれば致し方ないことですが、 いにしえの頑固なまでの職人根性をを思い出すと、・・・・・ちょっとさびしい感じはするのですが。
見積時での見極、判断によって、見積額に相違がでてしまい、今回の、お客様には ”期待はずれ” と不信感を抱かせてしまったことに申し訳なく思っております。
割り切った判断をすることが逆に信頼、親切になることを学んだのです。 ハイ!!