№ 190     悪い奴!!??

先日、25年式 3月登録のまだ目新しいクルマが入庫してきました。何者かが左側面をスプレーか何かで噴射してタール状のピッチが一面に付着しているのです。

特に、フロントフェンダー、ドア周辺、そしてリヤドア、リヤフェンダーあたりに集中的に噴射されているのです。 何でこんなことをするのだろう・・・・誰だか分からない”悪い奴“に憤懣やる方が無い気持ちになりますね

”新車”納車されて間もないのに、左側面オール塗装は出来るだけ避けたいと思っていますが、何せ、その噴射されている範囲が広すぎます。 購入したディーラーにも相談したそうですが、ドア、フェンダーパネルはもちろんのこと、各サッシ類、モール関係も”交換”を勧められたそうですが・・・・・

そのような状態で、「何とかならないですか、・・・」と,哀願するよう ご来店いただいたのですが・・・・・ ピッチの一部に溶剤をあてて拭きとりを試みましたが、除去できないことはありませんが、時間の問題と、”新車”の塗膜に施すという作業となりそのリスクが高すぎます。

お客様の「”お盆休み”までに何とか・・・」という2重のプレッシャー受けながらもお引受けしてしまったのです。 いつものようにお請けしてから後悔するパターンですが。  何とかせねばと2日間の期限での厳しいミッションをスタートさせました。(ちょっと大げさですが)

まず、1パネル(Fフェンダー)だけをそのピッチ除去に特殊溶剤を使って拭き取りを行いましたが、意外と時間がかかりました。全体のピッチを除去してから塗膜の磨き上げ、艶出をして、ポリマーコーティンングまでやるという工程です。 このペースでは到底2日後の納車は間に合いません。

塗装職人の石田君に”現車”を持込み相談したのです。 塗装の現場もお盆休み前で大わらわです。   新車の焼付塗装の塗膜面であれば、シンナーによるすばやい拭き取り除去も可能であるという見解で、自らがその場で残りのパネルを拭き取り除去をし始めたのです。

30分程で左側面の点在していた憎きピッチ群のほとんどが除去されました。
しかし、付属パーツである、モール類、サッシ関係はシンナーは使用できません。付属パーツ類は特殊溶剤で時間をかけ、表面を侵さない程度に加減しながら拭き取りをというアドバイスをうけて店に戻ったのです。

その日のうちに左側面のパネル、そして付属パーツ類に付着していたピッチの殆んどが除去されました。ただ一部の付属パーツ類にその憎々しいピッチがこびりついていました。

翌日、左側面の磨き上げ、艶出し、そして、全体にポリマーコーティンングを施し、もとの新車時の輝きに戻したのですが・・・・・・??
問題のピッチを除去したその”点在跡”が見る角度によっては、薄いエクボのようになって見えるのです。 (ピッチ自体の成分が塗膜に何らかの反応を示したのでしょうか・・?)

完璧とは言えないですが、このピッチ除去作業は終了したのです。  納車時のお客様の表情で、決してご満足いただいてないことがわかりました。 付属部品に残ったピッチに関してはその箇所のパーツ交換ということをお勧めしました。

そして、”点在跡”についてはそれなりに納得していただき納車ということになりました。
お客様にしても、私どもも不本意なカタチでの納車となりましたが、休み明けにも、この塗膜面に起きた”現象”をもう一度検証してみよう思っています。  ハイ

 

 

 

 

 


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