三者三様??

先日、オートバイ(スクーター)の塗装依頼がありました。 その何日か前に同様なスクーターの塗装依頼があり店長によって受注されましたので、 珍しくスクーターの修理が続くなー、思いつつ見積りに入ったのです。

クルマ以外の鈑金/塗装に関しては工賃係数のデーターベースはなく、その都度、”現物”を現場スタッフに見てもらって料金設定を行っていますが・・・  この度、その”スクーター”は自分の判断でその料金を見積して、お客様も、”その額”ならということで即決で受注となったのです。

案の定、現場スタッフからその料金についてクレームが入りました。  お客様にご提示した”その額”は現場が考えている半額以下のものでした。 これは怒られてもしょうがありませんね・・・・。 (注: その前に受注したスクーターの料金は修理内容も違いますが、もっと高額であったこともあり・・・・)

そのスクーターの塗装とは、右側面のパネルにある細かいスリキズ等々が気になるということで、スクーター”オーナー”の娘さんが依頼にこられたのです。  最初は”磨き”での修復をお勧めしたのですが、オーナーさんの意向が強く”塗装”で綺麗に仕上げて欲しいとの希望もあり・・・・それではということで右側面を塗装するという ”料金”でお預かりしたのです。

結局、翌日、お客様には大変申し訳ないと思いつつも連絡をして、料金の訂正のご相談をお願いすることになりました。  無論、最小限のアップをお願いしてみたのですが・・・。 娘さんオーナーと相談してようやく”その額”を納得していただき、現場にはいつものごとく、無理を言って着工してもらうという運びになりました。

数日後、そのスクーターは綺麗に仕上って戻ってきました。  確かに右側面のパネル(何面かに組み立てられているパネルを全て脱着しての塗装作業)は完璧な塗装作業が施されておりました。

これなら、この料金に十分見合う”仕上り”だと安堵したのですが・・・・、 ふと見ると、左側面(反対側)にも同じスリキズが何カ所にあり、右側面があまりにも完ぺきな仕上がりを見せているのでちょっと違和感を感じたのです。

いつもの習性で、そのままでは何とも納めきれないなー、と思いだすのが・・・・ いいのか、悪いのか??
早速、左側面を少し磨いてあげようということに・・・  勿論、”少し”と言っても中途半端は出来ない不器用者ですから、例のごとく、かなり気合いを入れて磨き上げてしまいました。  左右両面遜色のない仕上がりとなり、おまけにポリーマーコーティングまでかけて、いつもの自己満足の世界に浸ってしまったのです。!!

ここで、オチがあるのです。?  納車当日、娘さんオーナーである”お母さん”がクルマで来店なされました。 娘さんはそのスクーターを見た瞬間、感嘆の声をあげて喜んでくれました。 お母さんは全体をぐりると回って左側面のところでじっくりと腰をおろして見つめて、娘さんに、微かに点在する”キズ”についてちょっと不満を述べているようでした。・・・・・!?

娘さんと、お母さんとのやりとりがどうであったかわかりませんが、 自分と娘さんとお母さんの三者三様のイメージ、思惑、そした期待もちょっとはずれたような感じがしたのです。・・・・・・・・自分と娘さんが見つめる前で颯爽っとヘルメットをかぶり、思い切りアクセルをふかして出ていくお母さんをお見送りした次第です。  ハイ!!


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