No. 26回    職人さんとの人間関係・・・!!?

鈑金・塗装ショップ(敢えて工場とはいいません。)におけるこの3者の関係は非常に微妙なものなんですよ・・・・
まず、お客様がご来店、その愛車の見積をさせていただくのがフロントマン(女性もいます。)の役割です。
その店によってこのフロントマンの役割をする人物が違います。

① いかにも”鈑金/塗装工場”という感じのお店ではそのオーナーであり親方(鈑金/塗装の職人さん)や、熟練の経験者がフロントをする場合。 
②オーナー(鈑金/塗装未経験の社長さん)や営業マンがフロントする場合。 
そして、③専門職のフロントマンが行うお店が”ショップ”という感じになると思いますが・・・・・・
この他、④フロントマンを特別おかずに、鈑金、塗装の職人さんが兼ねてやるお店もあります。 カーコンビニ倶楽部のお店はおそらく③になると思いますが

フロントマン VS 現場の職人さん
フロントマンが見積/受注したクルマは作業指示書となって現場の職人さんのもとに送られます。
通常の入庫状況であれば問題はないのですが、急激に入庫台数が増えたり、緊急依頼の車両が入庫した時などに、フロントマンVS現場の職人さんとの微妙な”温度差”が生じてきます。 ①のフロントマンの場合は問題ないようですが、②③では納期の問題でお互いの立場、言い分があり、その調整で苦労することがあります。程よく定期的に入庫してくればいいのにといつも思っている次第です。ハイ

 次に鈑金職人さん VS 塗装職人さん
その指示書を見てまず鈑金職人さんが動きます。
その”現車”のその箇所をみてどのように直すかをイメージするのです。工具、材料等を駆使して原型に復元する作業を行うのですが、 どこで塗装職人さんにバトンタッチするかの問題です。

その店によって違うのです。ちょっと専門的になりますが、 鈑金作業で原型に復元した箇所に”塗装パテ”を塗布します。一定時間乾燥後、その箇所に研ぎ作業を行います。この第一研ぎ作業後にバトンタッチをするケースと、 次の、サフェサー塗装(下地塗装)にすぐにかかれるよう、もう一度、入念な研ぎ作業を行います。 この第二研ぎ作業まで終了してからバトンタッチという2つのケースがあるようです。

これはその店のシステムと言うか、決まりと言うか、伝統というか、ずーっと受け継がれているものなので、新たに職人さんが加わってもそのやり方に変えないようです。

バトンタッチした塗装職人さんはその研ぎ終わった箇所にサフェサー塗装をほどこし、乾燥後にやはり入念な”研ぎ”を行います。この研ぎ次第で最終仕上りに影響することは言うまでもありません。
この研ぎ終了後、ここでやっと調色された”色”が入るのです。塗装している時間はほんの数分だけです。この後にクリアー塗装(透明)をして、最後の”磨き”作業に入るのです。 鈑金/塗装とはこの”研ぎ、磨き”に大半の時間を費やしていること、そして職人さんによって、その技巧、使用する材料(研磨剤、ペーパー類)、道具等々が様々であることは一般の方々にはあまり知られていないようです

話が少し横道に逸れましたが、修理完了したクルマが完璧に修復されていることは当然ではありますが、何か不具合箇所が生じた場合、両職人さんにクレーム修正をもとめることは止む得ないことです。
両職人さんがその ”要因” がどちらにあるかを追求しあう場合もあります。

鈑金職人さん、塗装職人さんの職域がはっきりしていてその2人が仲良くやれば問題ないのですが、意外と仲が悪いというのがこの業界の定説なんです。
自分の領域でした仕事に対してのこだわりと自負があるからです。 お互いの仕事をほめて称え合うということはこの世界では少ないようですが・・・・?   この両者の関係が良好なところは当然いい仕事ができていることになるのですが・・・・・

 


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