№667回    車検の建前と本音

2年に一度の車検(乗用車)はカーオーナーにとっては責任と義務であり、誰もがその時期になると躊躇なくマイカーを整備工場その他のカーショップに持ち込みます。

車検は2年に一度(乗用車) 24か月法定点検事項(91箇所)をチェックして不具合箇所があれば修理、交換を行います。その後、2年間の安全と、安心の運転を担保されます。

カーオーナーであればこの2年に一回の車検出費(車検整備代プラス法定費用等々)は家計の必要経費として用意しておかなければなりません。

 

お客様の車検をお請けする側としては、現在、街の整備工場から大型カーショップ店、SS等の参入によって、ユーザー獲得商戦への様々な戦略が過当競争の様を呈して、ユーザーにとっては好ましい環境となってきています。
一方、従来の町の ”整備工場さん” はその領域を徐々に浸食されて厳しい環境下に置かれています。

それに加えて、新車ディラーでは販売時に囲い込み戦略として”定期点検” ”車検” は欠かせないユーザー管理アイテムとして繰り込まれていて、おそらく、5年間はディーラーへの車検入庫が当たり前のようになってきています。

 

ここから、本筋の車検の建前と本音を語らせていただきます。
従来の整備工場は国から認証工場の資格を取得して、当該車の点検、整備をしたのちに管轄の陸運支局にに持ち込んで検査を受けていました。 
現況は、国の指定工場認定を取得して自社において検査員資格(国家2級整備士による検査員合格者)を取得して ”検査” を代行する民間指定工場へと移行した複合的カーショップ店(大型カーショップ、集中車検整備センター)での車検が 主流になりつつあります。

民間指定工場の”検査員”はみなし公務員として、当該社員でありながら検査業務のみを専任とさせて、車検点検及び整備等には携わることはできません。よって、陸運支局の検査員並みの厳格な検査チェックと承認の権限を与えられています。
検査員は特に足回り関係については厳しくチェックを怠りません。
ドライブシャフトインナーブーツ、スタビライザーリンクロット、ショックアブソーバーなどと言う普段聞き慣れない部品箇所の油漏等で、ブーツとかシール交換はその説明を受けて交換等は余儀なくされます。

 

車検を受けようとする方々は、”車検” は責任と義務においてきちっと点検整備して今後2年間は安心して運転をしたいという方々から、とりあえず、車検が通ればいいにので極力安く上げてもらいたいという方々まで様々です。
本来の車検の建前からすると ”前者”の方々の意思に沿って作業にあたれば、かなりスムーズに業務が進行できるのですが・・・

 

車検を受付する際のフロントマンの役割がここで重要となります。
まずは、事前にお客様よりの不具合箇所指摘があれば明記して現場スタッフに伝えなければなりません。
また、この車検の際にオイル関係、エレメント類、エアコン機器等のチェック、点検等もオプション事項としてお薦めしてより快適なドライブをお約束をすることができます。

車検を受けようとするお客様は一様ではないと述べたように、それぞれの意向をもって来店なさいます。それに沿った対応をしなければなりませんが、先ほどのような不具合箇所の指摘があれば、どんな事情に拘わらずそれなりの交換、修理の措置を施すことへの説明、そして了解を得なければなりません。

フロントマンはユーザーサイド、現場整備スタッフの両サイドに立って公正な判断で、車検整備、追加整備、プラス、オプショ追加作業も含めた ”事前見積” をご提示するわけですが、これが一様には行かないことが多々あるのです。

 

以上のように2年に一回の車検は、ユーザーの意向、希望を最優先にしながらも、そのクルマの実情を、専門的見解で分かり易く丁寧に説明して理解していただくことの難しさを ”本音” として語らせていただきました。  ハイ!!

 


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