№596回       ロッカーパネル(ボデーサイドシル)

ロッカーパネル、一般の方には聞きなれないパネルですが、一番、凹ませやすい前後ドアの下の”ステップ部分”となるパネルです。(ボディーサイドシルともいいます。)

特に車高の低いクルマは道路の縁石などに接触しやすくフェンダー、ドア等と同時に損傷するケースが多いのです。
ある程度の擦り傷、凹こみであれば鈑金作業で修復できますがパネルが切れたり、凹みが中に食い込んでしまった場合は”交換作業”となります。

バンバー、フェンダー、ドア、ボンネット等のパネルは交換は容易にできますが、ロッカーパネル、リヤフェンダー(クォータパネル)等はクルマの骨格を成すパネルで簡単に取り外し交換とはいかない難義な箇所(パネル)です。 当然、その交換作業となりますと高額な費用となります。

以前、このブログでもクォータパネルについて語っていますが、できることなら、交換せずに鈑金作業で修復させたいパネルであります。その骨格となるパネルを切断して溶接するということで当該車の価値感を損ねる(査定減価)ということは言うまでもありません。

 

何度か、擦り傷等でご入庫いただいている奥様ですが、この度はこのロッカーパネルをフロントドアからリヤドアに至るまで見事に凹ませてのご来店となりました。 幸いにも上部の前後ドアにまではキズが及んでおらずロッカーパネルのみの修復で済むようで何とか鈑金作業でいけばよいなと思って見積をしました。

お客様も、「またやるので、目立たない程度に簡単に直してくだされば・・・」と事の重大さを感じていらっしゃらない様子でしたが・・・・

工場入庫後、鈑金スタッフから連絡が入り、「鈑金での修復は不可能なので交換になるね」という見解でした。
ロッカーパネルの交換ということになるとフロントピラー、センターピラー、クォータパネルに一部まで切断して新しいロッカーパネル(サイドシル)を溶接によって接合することになります。
作業時間と工賃は相当額になります。

当初の鈑金見積額より交換見積額が大幅に増してしまいお客様の意向に沿えなかった訳ですが、
ロッカーパネル、そしてクォータパネルを大きく損傷したクルマが入庫すると、どちらかと言うと、お客様の側にたって現場スタッフと交渉するケースがありますが、今回は”交換”以外修復方法はないと断定されました。
お客様にとっては大きな負担となり、”その代償”の大きさに反省をしきりになさったことは言うまでもありません。  ハイ!!

 

 

 

 


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