№582回       幸いにして・・・

先日、お付き合いのある会社の社長さんが、奥様が愛車の左側面を大きく破損させてしまったのでちょっと見てほしいと言うことで来店なされました。

奥様の普段の”運転”が荒々しく同乗するたびに心配と不安をいだいていたということです。
30分後に奥様がその愛車に乗って来店なされました。
大変穏やかな清楚なご婦人で恥ずかしそうに笑顔で挨拶を交わされました。

狭い道路で対向車とのすれ違いの際に左側に寄りすぎてブロック塀に接触、そのまま状態で移動させたため左側面パネルを大きく破損させてしまったわけです。 このようなケースでの入庫が最も多いのです。それも女性や高齢者に多いのにはそれなりの理由があります。

左フロントドア、リヤドア、リヤフェンダー(クォターパネル)3パネルはスリキズ、凹みが大きく、交換か鈑金かという微妙な状況を察しながら三者三様それぞれの思いでため息をついたのです。
まず、いかに見積額を抑えるかということから、その3パネルを鈑金/塗装作業でいけるかどうかの可能性を説明をして、とりあえず、”鈑金作業”での見積を暫定的に作成して、現場スタッフの判断を仰ぐということで”受注入庫”となり当該車は工場へ搬送されていきました。

 

ご婦人、高齢者ドライバーが同様なケースでの入庫が多いというこ理由は、ブレーキングとアクセル操作に問題があるということです。(もちろん、男性ドライバーにも言えることですが・・・)
高齢者のアクセル誤作動での事故が多発していることも、この操作ミスが指摘されています。

弊店に損傷修理に来店する女性ドライバーの方々に、狭い道路、車庫入れ等の移動時で ”フットブレーキ”だけでハンドリングするか、アクセルペダルと交互にハンドリングするかを尋ねると、大半の方はアクセルペダルにも足がいっているようです。

このブログでもブレーキングとアクセルついて何度かアドバイスさせていただいております。
アイドリング回転(クリープ現象)でブレーキの踏み加減のみでクルマの前後の移動”をするべきだということです。狭い道路、車庫入れ、渋滞時の前車へのつめる時などにアクセルの作動(タッチ)はするべきではないとの見解を述べています。

とくに、女性、高齢者のアクセルのタッチの加減(踏み込み加減)がスムーズでない方が多いようです。
あえて、タッチ(触れる程度)という表現するのは、市街地の道路(40~50km制限走行道路)ではアクセルを踏み込むと動作自体が危険であって何の意味のないことです。《 № 545 アクセル操作 》

 

日常、ご自分の運転操作に何の疑問を抱かず当たり前のようにハンドルを握っていますが、走行中に万が一のアクシデントに遭遇する可能性がどなたにもあります。
幸いにして、それを数秒の差で免れたり、最小限の損害、被害でとどめていることは常に”事故とは”表裏一体にあるということです。

 

この度の奥様の愛車は、現場スタッフの配慮で”1パネル”だけを交換、あとの2パネルは鈑金塗装による作業で納まるようになりました。それでも、大きな代償を伴ったわけですが、考え方によっては、幸いにしてこの程度で済んだことに感謝する気持ちと、謙虚に自らの運転に戒めることも必要ではないでしょうか・・・・  ハイ!!

 

 

 

 

 

 

 

 


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