No. 537回   理不尽なこと・・・

仕事始め早々、多くのお客様のご来店をいただきました。
例年、年末、正月にキズ、凹みを負った愛車が正月休み明けを待ってのご来店は通例となっています。

その中で、2重追突事故に巻き込まれたお客様より電話でのご相談の ”一件” があります。
トラックの一方的追突によって”前車”にまで追突させられ、前後の” パネル” を大きく損壊してしまった事故です。 当該車は当面、ディーラー工場へ搬送されたそうです。
一方的追突事故で100%のトラックドライバーの”過失” が認定され、保険会社よりその損害賠償をうけるべき措置対応となっているということです。

ディーラーからは、”見積額” をだす前に ”全損扱い” になる見込みとの見解をうけたそうです。 お客様よりこの経緯説明をお聞きした後に、その当該車の損傷状態、車種、年式、走行距離数のこともお聞きしたのです。

軽自動車のミニバン 20年式 走行130,000km 車検は32年11月まであり、つい最近エンジンのOH済みのクルマであるということです。 損傷状態は明日、画像で拝見するということで大まかな当該車の損害状況は理解できるとおもいます。

 

お客様の懸念なさっている点は、”全損扱い” になった場合、現車と”同様のクルマ” が損害賠償額の範囲で” 代替え” 出来るかということです。 
この当該車は購入時、いろいろの利用、用途面でターボエンジン、4WD、寒冷地仕様という こだわりを意識したそうです。
年式、走行距離数も含めて同様なクルマが戻ってくるかということを心配しているのです。
問題は保険会社が算出する現車に対する ”全損時の時価額”算定方法です。

お客様は出来ることなら、この当該車を ”修復作業” によって元通りに甦らせて欲しいという強い要望を示していたのですが・・・・・・・・
翌日、当該車の画像を拝見したのですが、バックドアゲートはリヤーガラスともども損壊の状態であり、左右のスライドドアまでその衝撃で変形、歪みも生じています。
フロントパネルも同様に大きく損傷している状態でした。

現車をまだ拝見していませんが、ディーラーの担当者の見解同様、”全損扱い”という可能性が高いように思われるのです。 ここからは保険会社担当者との掛け合いとなる訳ですが、いかに誠意をもって対処してもらえるかということになります。

 

このようなケースのご相談、ご入庫は何度も経験しておりますが、基本的には、その当該車が元通りに修復できればベストですが、”修復作業見積” の段階で車種、年式、走行距離数等々からすると、相手方の対物損害賠償額は時価額 範囲以内ということに突き当たります。 
一般的には対物損害賠償保険には「全損時修理差額特約(対物超過特約)」が付加されている場合が多く ”全損時時価額” にプラス500,000円までは修復修理費用としてのみ認められることもあります。

問題は、そこまでの 修復修理費用 が保険捻出されても、このような ”損壊状態” のクルマの ”修復作業” を請負う工場があるかということになります。
この”損壊状態” 年式、走行距離数からして、修復完了した後に今まで同様な走行やそれに関連した不具合が生じないかということを懸念するのが工場側の一般的な考えです。

 

結論は保険会社と被害者が、”誠意ある解決” に向けてをどこまで 妥協、納得 するかが問題になるということです。
何の落ち度もなく、不具合も無く乗用していた愛車が突然一方的アクシデントによって失なわれようとしている状況下で、不安と焦燥感を感じていることは当然のことです。

小生が語った、この”妥協、納得” に対して「 こんな理不尽なことがあっていいのか・・・」 と言う、お客様の′言葉が強く印象に残った ”一件” でした。

 

 

 


コメントを残す